世紀末救世主伝説 |
|
北東の拳 第1部 目次 第1話|第2話|第3-4話|第5-6話|第7-8話|第9話
第5話 『愛ゆえに』編 無双転生 その2
1999年、4月ごろ(茨城県常陸那珂港北堤)
73センチのヒラメの場合(ヒラメ語)
満月の月明かりの下...岩に擬態するヒラメがいた、ランカーである。
「オレはここで何をやっているんだ...。政治、経済はますます混乱し、世界では地域紛争が絶えない。先進諸国は一方的な国家的犯罪に見て見ぬふりをし、近い将来には必ず起こるであろうエネルギー危機、食料危機などの問題は解決の方法すら見いだせないでいる...。だが、ヒラメに生まれたオレには見える、様々な問題の解決の為の糸口が...。それは愛だ!愛こそが...。」
「ん!?とりあえず、イワシでも食うか...明日には、国連にむけてメッセージを送らねば...『愛ゆえに...』。」
その後シーバスハンター。にバイトしたこのヒラメは自宅にて俺の腹に収まった。
第6話 『そして修羅の国へ』編
1999年、4月終わりごろ(茨城県常陸那珂港北堤)
俺の守るこのエリア(北堤)にもついに“拳王侵攻隊”の魔の手がのびつつある...。
その正体とは立入禁止区域の侵入者を無差別(あたりまえか)に区域外へ追いやる職務に忠実な警備会社社員達である。彼らは“法的手段にでるぞ”を必殺技にもつ部隊であり、アングラーに対しての究極の天敵でもある。俺の残された使命はこのエリアのシーバス、ヒラメ達を全て釣り上げ、『修羅の国』へ渡ることである。なぜなら、このエリアは完全封鎖される予定になっているため、ルアー釣りができなくなるのだ。その瞬間まで自らの手で...
全てのランカーを釣り上げる時がついにきた。その闘いは壮絶を極め、この30日間で10枚を越えるヒラメを釣り上げ、73センチ、最終日には75センチといったランカーヒラメをもゲットした。もう...思い残すことは何もない...
なぜかお腹もいっぱいだ...。
この日、ひとつの戦いが静かに終わった...自分のエリア、自分の世界の釣りが終わり、強者どもがし烈な戦いを繰り広げるあの那珂川へ戦いの場を移す時がついにきたのだ。そう...『修羅の国』へ。