世紀末救世主伝説 |
|
北東の拳 第1部 目次 第1話|第2話|第3-4話|第5-6話|第7-8話|第9話
第9話 『世紀末救世主伝説、再び』編 10.2kgヒラマサ、の章
2000年、12月下旬(茨城県波崎沖、第二東洋丸)
俺は今、波崎の沖にいてヒラマサを狙っている。ルアー船はちょうど10回目だ。これまでにイナダ、ワラサ、カンパチをとってきた。12月はどうやら少し苦戦するらしい。俺にはデカイのがバイトすればそれでいい、数はいらない。この日はサファリにPE6号と70ポンドのリーダーを入れてきた。茨城沖ではやりすぎだと自分でも思う。
ビックヒラマサ、その時は突然やってきた。午前9時すぎ、ボトムから2ピッチのハイスピードショートジャークで中層でバイトしてきた。ドラグが20mほど一気に出されて走りが止まり、それからのファイトで魚体を持ち上げる、水面に浮かびあがってきたのはビックヒラマサだ。船長がタモに納め、船上で至福の時を迎える。10.2kg!ひとつの夢が、もう通過点でしかない。今までのビックシーバスとのやりとりが一気にかすむ強烈な引きと走り、俺はこの道を進みつづけるだろう...より速く、よりデカく...。
後はこの道へ多くのアングラーを導きたい、イバラの道だがより刺激的な日々の「修羅の国」へ。
『世紀末救世主伝説“北東の拳”第一部 完』
筆者 茨城県、県南地区在住、24歳(2000年12月現在)